琴平町社会福祉協議会オンラインストアとは
琴平町町社会福祉協議会では、障害者の自立支援のための機会創出を図るため、町社会福祉協議会が一次加工・販売者となり、心身障害者小規模通所作業所「ねむ工房」において、にんにく加工など自立支援の場を提供しました。収益の全部を地域福祉に充当しています。
産地・事業者の概要
琴平町は香川県中部に位置し、「讃岐のこんぴらさん」の愛称で全国に親しまれてる金刀比羅宮を中心に発達した門前町で、県内有数の観光の町をなっています。町北部は農業が盛んで、米、麦をはじめ、にんにくやレタス、ナバナ、オクラなど露地野菜が栽培されています。特に、にんにくは昭和初期から栽培が開始され、香川県は青森、北海道に次ぐ令和4年度全国3位の生産量があり、琴平町は生産高で県内第1位となっています。
こんぴらにんにくは、ニオイが強く、大ぶりで、色白が特徴です。農産物価格が低迷するなか、農家所得の向上、特産品開発を模索のなか、関係機関の連携により試行を重ねた結果、ガーリックオイル「ガァリック娘」を商品化しました。
経営の概要
経営形態:中間事業者
取扱商品:ガーリックオイル(食用オリーブ油)
原料野菜:にんにく(琴平町産)
従業員:ねむ工房(障害者就労支援施設)8名雇用
経営の推移
琴平町では、相互に協力し、福祉サービスを必要とする地域住民が地域社会を構成する一員として日常生活を営み、社会、経済、文化その他あらゆる分野の活動に参加する機会を与えられるように、地域福祉の推進に努めることとしています。
障害者の自立支援のための機会創出を図るため、町社会福祉協議会が一次加工・販売者となり、心身障害者小規模通所作業所「ねむ工房」において、にんにく加工など自立支援の場を提供しました。収益の全部を地域福祉に充当しています。
課題
にんにく生産者
規格外のにんにくの有効利用
町社会福祉協議会
障害者の自立支援のための機会の創出
町観光協会
琴平町オリジナルの特産品の創出
善通寺第一高校
現場の生きた教材を活用した授業の導入(ネーミングやラベルの制作)
(株)高橋商店
県産にんにくを使用した香りの良いガーリックオイルの開発
取組の特徴
にんにく生産者、食品加工業、観光業が抱えるそれぞれの課題解決に向けた取組みを香川県の農商工連携に係るマッチング活動の後押しもあり、商品化までに結びついたものです。
商品のコンセプトのひとつに障害者に自立支援の場を提供することとしており、収益金を販売元の社会福祉協議会に繰り入れています。このため、民間事業者から、新たな引き合いもあるが商業ベースでの拡大、原材料(にんにく)の需要拡大に向けた取組みは限界があるものの、できるだけの需要拡大を積極的に模索しています。
取組上の課題とその対応
琴平町のにんにくは、小粒ではあるが辛味とにおいが強く、抗菌、抗カビ作用があるアリシンの含有量が多いことで知られているが、以前は琴平町が県下有数のにんにく産地であることを知らない人が多かったです。規格外のにんにくの有効利用、オリジナル特産品の開発、障害者の自立支援のための機会創出など、各段階で抱えていた課題もありました。
香川県等の支援もあり、新商品開発までに至ることができ、平成21年7月には商標登録などの手続きも、自らの足で行ないました。
これまで関係機関との連携、助言等により、段階的に課題を克服してきたが、にんにくのスライス加工と、新たな仕向け先の開拓が検討課題となっています。
取組の成果
地域の農産物を活用し、関係機関との連携の下で商品開発を行い、この中でにんにくスライス加工など、障害者の雇用機会を創出することができました。
生産農家においては、規格外のにんにくを販売することが可能となり、農家所得の向上に寄与できました。
併せて地域資源を活用した商品開発により、琴平にんにくのブランド向上に寄与できました。
平成21年7月から町内の旅館や小売店など約50店で販売し、一部は学校給食へも提供しています。(1本(185グラム入り)1,350円(税込み))
平成21年度は2千本の販売を見込んでいたが約1万本を売り上げ、22年度は約8千本と、計画を上回る売れ行きとなりました。
原材料にんにくは、町社会福祉協議会が生産農家からJA香川県を通じ1.5トン程度を買い取り、価格は市場価格に一定額を加算した単価を設定しています。
にんにくの乾燥施設の整備など、琴平にんにく部会では栽培面積や部会員数が徐々にではあるが増加しており、特産品にんにくを使用した商品開発を通じて、活性化につなげることができました。
事業者からひと言
「ガーリックオイル「ガァリック娘」は、琴平町のにんにく生産者、観光、福祉、教育等、多くの人の思いが結集し、商品化に至ったものです。「こんぴらにんにく」の良さを知っていただき、これからも地域振興につながる取組みを続けていきます。」
「地元生産者や関係団体が、ウインウインの関係になるように努めます。」
「ガァリック娘」販売事業
「どこでもガァリッ子」販売事業
「ガァリック娘」の製造工程で発生する副産物(にんにく原料をオリーブオイルで加熱し、オイルをしぼった後の副産物)は、これまでは廃棄されてきました。SDGsの観点を取り入れ、食品としてはまだまだ栄養価値のあるにんにくなのでなんとか利用できないかという思いから、これらの副産物を粉砕してチップ状にした商品としてフライドガーリックを開発しました。
商品名は公募を行い、「どこでもガァリッ子」と命名しました。